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Jリーグ 10年前

J3を席巻する雑草軍団。現在首位、躍進するレノファ山口がつなぐ未来

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

J2昇格へのカギは「パスサッカーを貫き通す」姿勢

 ただ、山口の持ち味は細かくパスをつないで崩すサッカーだ。J3昇格初年度ながら、その部分に一切の妥協はない。

 YS横浜戦は相手のプレッシャーを前にして組み立てが雑になり、簡単に前線へ蹴り出す場面が多く見られた。結果的に攻撃が単調になり、シュート数でも11対6と圧倒されている。

 小塚は「相手どうこうというよりは自分たちのやることを、パスサッカーを貫き通す」重要性を強調したが、課題は多くある。

 当然連勝を続けてきた山口のパスサッカーを警戒して各チームのスカウティングも力を入れ、最大限の準備をしてくる。そして、今回のように自陣に引いてスペースを消してくる相手をいかに崩しきるかというのは大きなテーマになる。

 宮城は「そこ(引いた相手)でやられているようでは上には行けない」と気を引き締め、「ここからいかに落ちていかず、順位をキープしていけるかが重要」と継続的な成長の必要性を説く。

 中盤には小塚をはじめ、若くて技術力のある選手が揃っている。組織としてコンビネーションの完成度などはかなり高まっており、「相手のプレッシャーを受けながらも自分たちでしっかり繋いでいけるようになりたい」と語る上野監督の理想をピッチ上で体現できる日は近いだろう。

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