決勝への扉を開くのはユーベかマドリーか
ユベントスは今季のセリエAにおいて、ここまでの34試合で平均55%の支配率を記録している。常に強者として試合の主導権を握ることができる戦いを続ける中で、この試合では真逆の展開を強いられた。
それでも世界屈指の攻撃陣を相手に、最少失点の1点に抑えて56分にはテベスが自らのドリブル突破で獲得したPKを決めて試合を制した。この日、ユベントスが見せた集中力、強かさはやはりイタリア王者らしいものだった。
とはいえ、これら全てはこの戦いが“1試合で終われば”の話。ホーム&アウェイ方式となるCLでは、26分にクリスティアーノ・ロナウドが決めたアウェイゴールの1点が大きな意味を持つこことなる可能性も高い。
また、スコアこそ下回ったものの、攻撃の面では多くの点で上回り、データサイト『Squawka.com』によるパフォーマンススコアでも、攻撃の採点でユーベの112点を上回る136点を与えられている。
逆にマドリーにとっては、この2-1というスコアは“勝利に近い敗戦”と受けるところもできるだろう。これまでのCLの歴史を見ても、2ndレグをホームで戦うチームが逆転で勝ち抜ける展開は数多くあった。
そういった意味では、この結果はユベントスにとってもマドリーにとっても「とりあえずOK」と思える“WIN-WIN”の結果といえるだろう。
何よりも、今季のCLを楽しむ上でこの上ない展開だ。仮に、この1stレグでユーベが圧勝したりマドリーが勝利するような結果となっていれば、2ndレグへの興味が一気に低下していたところ。
今季、ベルリンへの扉を開くのはユベントスがレアル・マドリーか。その答えは1週間後の13日まで全くわからない結果となった。
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