「弱点を改善しようという強い意志も持っていた」
サー・アレックス・ファーガソンはポールの引き留めを望んでいたと言うべきだろう。成長過程にある素晴らしい選手がいるということは我々の誰もが知っていた。長い間ビッグクラブにいると、若い選手たちの細かいことはあまり目に留まらないものだ。最初はちょっとしたことかもしれない。例えば、朝に練習へと向かう途中でアカデミーの少年たちとトップチームがすれ違った時、若手のグループの中で特に誰かが目立っていたり、ということだ。
一目見て、ポグバはその身長と体格が目を引いた。彼のことを知ってからは、確信を持つことができた。その後トップチームの練習に加わるように言われても、彼に不安を感じている様子はなかった。
プレーぶりだけではなく、物怖じすることなく年上の選手たちに近づき、アドバイスも求めていた。彼にはそれだけの熱心さがあった。サッカー選手としてやり遂げたいという絶対的な意欲があり、学ぶチャンスがあるたびにそれを逃さなかった。
彼はサッカー選手として非常に優れていた。高い技術を持っており、ボールを強く蹴る術も知っていた。パスの距離を伸ばすやり方について私に聞いてきたこともあった。それから練習後に時間を取って、50ヤードの距離からボールを蹴り合うようになった。パワーや、狭い範囲での技術、運動能力など、彼にはロングパス以上に得意としている武器があったが、自分の弱点だと考える部分を改善しようという強い意志も持っていた。