敵陣でのプレーは、わずか3割。守備に奔走した本田
その間、わずか6分。70分にマレク・ハムシクが先制点を決めると、74分にゴンサロ・イングアイン、76分にマノロ・ガッビアディーニが決めて3-0。
しかも、その全てがチーム全体で連動する良い流れからの得点。現在のミランに最も欠けているものだった。結局はスコアでも内容でも大差をつけられての敗戦となった。
その中で2月7日のユベントス戦以来のフル出場となった本田圭佑にとっては、苦しい90分となった。ウイングという攻撃的なポジションでフル出場しながらパス本数は、わずか17本。生み出したチャンスは1回でシュートはなし。
ボールを持ってプレーしたエリアを示す「プレーエリア」を見ても、ナポリ陣地が34.48%で自陣が65.52%。本来プレーすべき敵陣ではほとんどボールに触れることができなかった。
10人で試合をスタートさせたも同然のミランにおいて、その穴は右SB。本来は本田の背後を守るはずのポジションだけに、その後の守備面での負担は大きかったはず。
データサイト『Squawka.com』によるパフォーマンススコアでは、攻撃が-6点だったのに対して、守備は21点。確かに、ある程度守備面で貢献していた部分もあったが、これは何よりも攻撃ではなく守備に奔走させられていたことの証だ。
それは技術的な面、体力的な面はもちろん、精神的な面でも大きな負担、ダメージとなっただろう。
そして何よりも、このような状況はインザーギ監督の精神的ストレスも大幅に蓄積していくもの。シーズン当初、黒々としていた髪の毛は今や白髪混じりに色付いてきた。
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