なぜアジアの選手や指導者はトップレベルに至らないのか
イランは現在、アジアのなかで最も高い40位(日本は次点の50位)だが、ロクスバーグ氏にとって紙の上の統計はピッチ上での内容とは無関係であると考えている。
「ランキングに気をとられ過ぎている。テニスの世界で順位に目を向けることは構わないが、フットボールの世界で最も重要なのは、どうやって主要大会で勝ち続けられるかだ。W杯で次の段階へ行くことや、規則的に出場権を獲れているかが指針になる」
アジア諸国が規則的に結果を達成することができるようになるため、元スコットランド代表監督は構造の重要性を訴える。
「前進的な指導者教育がなければ、可能性は常に限定されてしまう。ここ3回のW杯優勝国を見れば、そこに目を向けなければならないことは一目瞭然だ。彼らがその地位に登りつめたのか主要理由の一つは、前進的な指導者教育だ。指導者と選手の成長の両方が鍵になる」
アジアの指導者と選手が最高峰のレベルに挑戦できる教育を提供すると同時に、ロクスバーグ氏は決意を強めることも必要だと考える。
「アジアにもタレントはいるが、それだけでは決して十分とは言えない。才能豊かな多くの指導者や選手がトップレベルには達していない理由は、才能以上に責任や野心が足りないからだ。
世界中で同じことが言えるが、野心を欠いた者はいくらタレントがあっても望むような成熟は期待できない」
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