Jリーグの中でも傑出した選手
この日の逆転ゴールにしても、FKをもらったのは武藤だ。この場面では、川崎が自陣深くでボールを繋ごうとしたところに猛然と駆け寄り、身体を寄せてファウルを受けた。
そして、このFKから決めたヘディングシュートである。元々「ファーサイドに行くのが戦術的な決まり事だった」そうだが、「相手も油断していると思ったので、ニアで合わせてみようと走った」と振り返る。連戦で心身ともに疲弊している中でこうした駆け引きが武藤にはできる。
ゴールを奪うのがFWの仕事だが、決めて欲しいところで必ず決めてくれるストライカーは稀有な存在だ。その意味でも武藤はJリーグの中でも傑出した選手といえる。
移籍報道が盛んになっており、彼が世界を舞台に活躍する姿に期待も膨らむ。チャンスを虎視眈々と狙い、90分間絶え間なく動き続ける。そして、ここぞという場面で結果を残す。青赤の背番号14はJリーグ屈指の選手になりつつある。きっと、『FC東京の武藤嘉紀』を見ていたいという人も大勢いることだろう。
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