「前半とか特に重かったですし、みんな」
試合終了後に、香川真司は悔しさを滲ませた。何度も「勝ち切りたかった」と口にした。2015年5月2日、ブンデスリーガ第31節、8位ドルトムントはアウェイで「7位」ホッフェンハイムと戦う。
今季終了時の「7位」という順位には、特別な意味がある。30日に行われるDFBポカールの決勝には、ドルトムントと、現在2位のヴォルフスブルクが進出した。ドルトムントが優勝すれば、そのまま来季ヨーロッパリーグの出場権を獲得することになる。
しかしヴォルフスブルクがリーグ戦の順位を2位のまま優勝した場合、つまりリーグ戦を1位から5位で終えたチームがポカールを制覇した場合、「7位」のチームにELの出場権が与えられるのである。もちろん5位、6位に入れば、文句なしでELの出場は決まる。
ドルトムントとしては、EL出場権を掴むためにホッフェンハイムとの試合は絶好のチャンスであり、この試合に勝ちたいという気持ちでは、ポカール準決勝のバイエルン戦に勝るとも劣らなかった。
しかし、120分+PK戦を戦ったそのバイエルン戦から来る疲労の影響は、拭い切れないところもあった。「個人的には疲れはない」としながらも、「多少はあったと思いますけどね。前半とか特に重かったですし、みんな」と香川は言う。監督クロップは「ゴールが入るまでは、我々は完全には目が覚めていなかった」とする。
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