注目は1年ぶりに代表復帰の澤
約1ヶ月後に開幕が迫った女子W杯カナダ大会に出場するなでしこジャパンの大会登録メンバー23選手がついに発表された。ロンドン五輪からの3年間で代表招集歴の多かった選手が最終的にリストアップされ、比較的順当な選手選考だったと言える。
その中でも注目を集めたのは、MF澤穂希(INAC神戸レオネッサ)の約1年ぶりのなでしこジャパン復帰だ。昨夏の女子アジア杯(ベトナム)以来、コンディション不良や怪我によって招集が見送られていた澤は、今季のプレナスなでしこリーグで首位を走るチームを支え、好調を維持している。
昨季の澤は、チーム全体の意思疎通が乏しかったことも手伝い、確かに相手チームの攻撃の核となる選手に自由を許してしまう試合が散見された。しかし今季の澤は出足が速く、ハイパワーで相手選手の足元にあるボールへチャージすることができている。これは今季からI神戸を率いる松田岳夫監督の存在が大きい。
「松田さんは、まだまだサッカーがうまくなりたいって思わせてくれる監督。今が一番サッカーが楽しいかもしれない」
澤は日テレ・ベレーザ時代、ともに数々のタイトルを獲得してきた恩師の下、もう一度サッカーの楽しさを感じ、ネジを巻き直すことによって今季のなでしこリーグで輝きを取り戻せたのだった。
「90分間の集中力、そしてチーム内でも誰よりも体を張ってスライディングも多い。意欲もある。いずれにしても今の彼女の力はなでしこジャパンに必要」と佐々木則夫監督が納得した上でなでしこジャパンに“背番号10”が帰ってきた。