グラナダの残留がファミリーの未来を創る
彼らのような若い才能たちは、ポッツォ会長やウディネーゼのスカウトたちの目にとまると、一度イタリアに渡るか、選手自身のスタイルと合致する系列クラブに貸し出されて経験を積む。
その修行先がスペインのグラナダやイングランドのワトフォードということになる。もちろん他の友好関係を築いているクラブにも多くの選手を貸し出しているが、とりわけ上の2クラブの存在は重要だ。
グラナダは6試合を残して残留圏内と勝ち点6差の19位に位置しており、非常に厳しい状況だが、1部に残留できれば来季はポッツォ氏所有の3クラブが揃って欧州のトップリーグを戦うことになる。
おそらくこれがポッツォ氏のプランの第一段階だ。世界中の才能を集めて、育てて売るシステムは、どうしても毎年戦力が大きく入れ替わってしまう。それでも安定して1部リーグを戦えていれば、それだけ質の高いタレントを毎年育てているという価値の創造につながる。
そうなれば売却時にいまよりも高額な移籍金を引き出せ、今後スカウトやクラブのネットワークを広げる元手になる。このように確実に資金を生み出す循環を作り出すことで、多くのクラブが財政難に陥っているイタリアとスペインで安定した地位を築けるだろう。
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