「アロフスSD就任以降の発展は、全くもってポジティブ」
特別なモチベーションで燃えているのは、ボルシア・ドルトムントだけではない。2015年4月29日のDFBポカール(ドイツカップ)準決勝、ヴォルフスブルクがビーレフェルトを4-0で下すと、翌日付の独大衆紙ビルトは「故人マランダへ送る歓喜のゴール」とする。
3点目を決めたペリシッチが捲ったユニフォームの下には、1月に交通事故で夭折したマランダの絵があった。天に召した仲間のために――。去り行く指揮官とともにエモーショナルな戦いを続けるドルトムントと同じように、ヴォルフスブルクにとっても、ベルリンの決勝は特別な一戦なのだ。
今回のドイツカップは、獲得となればヴォルフスブルクにとって08-09シーズンのブンデスリーガ優勝以来のタイトルとなる。
長谷部誠も在籍し、グラフィッチ、ジェコといったアタッカーが得点を量産してリーグ制覇を成し遂げたヴォルフスブルクだが、10-11シーズンには15位で終えるなど、以後はパッとしないシーズンを送ることになる。
結果を継続に結び付けられなかった。しかし昨季を5位で終えると、今季は現在2位に付けて、来季のチャンピオンズリーグ出場を確実なものとしている。
ヴォルフスブルクが、09年のリーグ優勝の後の停滞を抜け出した要因はどこにあるのだろうか。4月22日付のスポーツ専門誌シュポルトビルトでは、ヴォルフスブルクの監査役会のメンバーであるステファン・グリューゼム氏が次のように語っている。
「クラウス・アロフスの就任以降のVfL(ヴォルフスブルク)の発展は、全くもってポジティブなものであると評価されるべきだ」
2012年の12月、クラウス・アロフスは、13年間過ごしたブレーメンに別れを告げてヴォルフスブルクのスポーツ・ディレクター(SD)に就任する。ブレーメンのSDとしてアロフスは、シャーフ監督(現フランクフルト)とともに一つの時代を築き上げた。