“既視感”すら覚えた試合展開
「敗戦にこそ学ぶべきことがある」。スポーツ界で常套句とも言えるフレーズであり、多くの人々が部活の顧問の先生から投げかけられた経験があるだろう。
ウディネーゼを相手にアウェイで1-2と敗戦を喫したミランは、中3日でジェノアをホームに迎えた。インザーギ監督は、まずスタメンに変化を与えた。最終ラインではデ・シリオとラミを起用し、前線ではチェルチをセンターFWに据え、本田圭佑を4試合ぶりに右WGの先発に復帰させた。
スコアは1-3。試合後のスタッツは、支配率57.2%(ミラン):42.8%(ジェノア)、パス本数459本:362本、パス成功本数380本:298本、クロス本数14本:13本、チャンスメイク数8回:14回、シュート数11本:17本だった。
この数字は、つい最近目にした“既視感”すら覚えるものだった。4日前のウディネーゼ戦のスタッツは、支配率60.9%(ミラン):39.1%(ウディネーゼ)、パス総本数468本:286本、パス成功本数386本:209本、クロス本数15本:22本、チャンスメイク数6回:16回、シュート本数6本:20本。そして、スコアは1-2。
相手よりもボールを多く保持しながら、シュートチャンスまで持ち込むことができずに試合を落とす。4人の選手を入れ替えながら、試合展開には全く変化がなかった。
さらに細かいデータを見ると、アタッキングサードでのパス本数がジェノアの156本に対して、ミランは92本。82本も多くパスを通しながら、相手にとって危険なパスの数では下回る…。
各選手がボールを持ってプレーしたプレーエリアを見ると、ミランは自陣で63.59%。敵陣ではわずか36.41%にとどまっており、ジェノアの敵陣46.64%からは10%以上も下回っていた。