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香川真司 10年前

香川に突きつけられた課題。独紙採点『5』。低評価が示す「トップレベルでの力不足」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「トップレベル」を戦う上での「経験」が不足

 1発勝負のカップ戦であること、また前半はバイエルンに対してチャンスらしいチャンスを作れていなかったことを考えれば、先制点を献上することはそのまま敗北という結果に直結しかねない。

 また試合後には香川が「細かく繋いで、俺がボールを受けて、展開していく」というプランがあったことを述べているが、香川自身も「そういう効果的な攻撃が出来ていなかった」と先発出場を果たしたトップ下として十分に機能しなかったことを認めている。

 しかしより厳密に言えば、バイエルンのようなCLクラスの相手に対してトップ下として十分に機能しなかった、ということになるだろう。香川のコンディションは、2戦連続ゴールと良い流れで来たリーグ戦のまま、状態は決して悪いものではなかった。

 つまり香川も「トップレベルでの課題は感じました」と振り返るように、現在の状態でブンデスリーガの中位以下のクラブに対して発揮できている好パフォーマンスを、バイエルンのような「トップレベル」を相手にしてもコンスタントに出せるかどうかとうことが、現段階での香川の「課題」ということになる。

 リーグ戦での手応えを感じながらも、力を思うように発揮出来ず、70分に交代となって、香川は言う。

「ただ今凄く充実しているので、また次からこの課題、この経験をまた活かしてやりたいと思います」

 ごく簡単に言ってしまえば、どのようなミスが致命的なのかも含めて、バイエルン戦での香川には「トップレベル」を戦う上での「経験」が足りなかった。デュッセルドルフ・エクスプレス紙の「5」の採点とは、つまりそういうことなのだろう。

【了】

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