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本田圭佑 10年前

地に堕ちた名門。ファンに見捨てられたミラン、指揮官は解任へ。低調な“10番”本田は無言貫く

ミランは現地時間29日のジェノア戦で1-3の敗戦を喫した。前節ウディネーゼ戦の敗北後、フィリッポ・インザーギ監督と一部選手が口論したと報道されたミラン。低調な成績、内部崩壊に加えてタイ人実業家の買収が迫るなど、今のミランはひとつの終焉の時を迎えようとしている。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

崩壊したミラン。ファンはついに“無関心”

地に堕ちた名門。ファンに見捨てられたミラン、指揮官は解任へ。低調な“10番”本田は無言貫く
ファンが作った「BASTA(もういいよ)」の人文字【写真:Getty Images】

「BASTA(もういいよ)」――。

 ミランvsジェノア戦の当日、ミラン側のクルバ・スッドにはそんな人文字ができていた。下の横断幕には「いい加減この大崩壊にケリをつけろ」と書いてある。数々の体たらくを重ねたのちに前節はウディネーゼに内容以上の完敗。ついにファンも忍耐が切れた。

 0-2とされた後半9分、パッツィーニに代わって最初に交代することになった本田圭祐にブーイングが飛ぶのもこの流れからすれば当然だった。それに対し、彼はスタンドのあちこちを向いて拍手で対応する。ファンはこれを皮肉と取り、単なるブーイングは怒号へと変わった。

 一体何をアピールしたかったのか。「ファンも変わらないと。ブーイングの中ではDFラインも落ち着いてボールを回せない」と以前彼は言っていたが、“こうなった責任の一端はブーイングを浴びせる君達にもある”ということなのだろうか。本田が試合後言葉を残さずに去ったため真意は知る由もないが、チームが負けていれば攻撃面で結果を残せなかった10番が責められるのは仕方がないだろう。

 そして人文字を作り、ブーイングを浴びせたゴール裏の人々は、試合終了の5分前に消えていた。負けたチームに罵声を浴びせるでもなく、ただ冷淡な沈黙が支配する。「愛情の対義語は憎悪ではなく、無関心だ」といわれるが、クオリティの低い選手ばかりで結果を出せないチームなど知ったことではないということなのか。ある意味、普通のブーイングよりもきついメッセージを発していた。

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