改善されたオフ・ザ・ボール時の質
「これで6試合連続(得点)になったけど、6試合は6人もいる(エムボマ、アラウージョ、アドリアーノ、レアンドロ、播戸竜二、橋本英郎)。でも7試合目がいないっていうのは、それだけ難しいってことだし、高い壁なんだと思う。
未知の領域にチャレンジできるのは嬉しいですし、決められれば7試合は自分1人だけになる。その響きは悪くない。それを達成できるように、そしてチームが勝つようにしたいなと思います」と宇佐美は前人未到の大記録に堂々と挑んでいく覚悟をのぞかせた。
4月18日の湘南ベルマーレ戦を皮切りに、22日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)・広州富力、26日の新潟、29日の松本山雅、5月2日の浦和、6日のACL・城南、10日の広島と7連戦の真っ只中ということで、宇佐美自身も疲労蓄積がないわけではない。
この日も70分でベンチに下がった。が、彼の中ではできるだけハードワークをして、チームに貢献しようという気持ちは強い。
「もっと無駄走りも必要なのかなと思います、そういうのを繰り返していれば、もっと脅威になれる。代表の時にオカちゃん(岡崎慎司=マインツ)も『考えながら走っている』と言っていていましたし、ハリルホジッチ監督から『つねにボールを裏でもらえる時は裏でもらえ』とアドバイスも受けたことも大きな刺激になっている。
今は幅広くオンとオフで内容のあるプレーができていると思うし、オフのいい質があるからこそ得点数を重ねられている。オンだけじゃ到底、そういう数字は残せないと思います」と本人の中には前々からの課題であるオフ・ザ・ボールの動きを改善したことが、好結果につながっているという自覚がある。足りない部分を素直に認めてよくしていこうという真摯さが今の宇佐美には色濃く伺える。
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