得点確率を上げるポジショニング
ゴールデンウイーク中の4月29日の夕方、大阪・万博記念競技場で行われたガンバ大阪対松本山雅戦。アルビレックス新潟戦から中2日と超強行日程のG大阪は全体的にやや重いスタートを強いられたが、若きエースは一瞬の得点機を逃さなかった。
前半16分、松本山雅の左サイド・岩沼俊介のタテパスを阿部浩之がブロック。これを松本の石原崇兆が拾い、味方にバックパスしたはずだったが、そこにいたのは背番号39をつける男・宇佐美貴史。
一気に前を向いて加速し、右サイドに抜け出したパトリックにスルーパスを出す。そしてDFが下がったところでリターンを受け、右足を一閃。豪快にネットを揺らした。この一撃を守り切ったG大阪はJ1・6連勝。
宇佐美自身も6試合連続となる今季9点目をゲットした。5月2日の浦和レッズとの首位攻防戦で得点すれば、クラブ史上最多となる7試合連続得点に手が届くところまで迫ってきた。
「コンスタントに得点できている秘訣? 確率を上げられるポジショニングを取れているんじゃないかなと思うし、それに尽きるかなと。あそこでパト(リック)に出した後も、自分が止まっていればああいう展開にはならなかった。
個人的にはこぼれ球を詰めにいこうって感じて走ってて、パトに(戻すという)選択肢を与えられた。それで結果を残せたんだと思う。確率を上げるポジショニングをどんどん取れれば、ワンタッチ2タッチで簡単にゴールを重ねられるという意識は今年のスタートから持っていますし、それが実っているんじゃないかなと思いますけどね」
【次ページ】改善されたオフ・ザ・ボール時の質