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香川真司 10年前

香川は「効果的な攻撃が出来ず」。それでも…試合を変えたチアゴの交代、些細な差が分けたPKの行方

クロップ体制最後の大一番となったドイツカップ準決勝バイエルン戦。香川真司はトップ下として先発も、効果的な攻撃を生み出すことはできなかった。それでも、チアゴの交代が試合の流れを変え、「気迫と気持ち」がPK戦の勝利を引き寄せた。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「バイエルンは強かった」。悔しさもにじむ香川

香川は「効果的な攻撃が出来ず」。それでも…試合を変えたチアゴの交代、些細な差が分けたPKの行方
ほんの些細な差がドルトムントを勝利に導いた【写真:Getty Images】

 2015年4月28日、DFBポカール準決勝のバイエルン戦、PK戦の末に勝利を掴んだ後で、香川は「バイエルンは強かった」とコメントを残した。

 実際、前半から試合を優勢に進めたのはバイエルンだった。「ボールの取りどころがはっきりしなかった」と香川は言う。ドルトムントは、これまでもバイエルンに対してそうしたように、香川を3トップの中心にするような形でプレスを掛けようとする。

 しかし今回の対戦では、香川がボランチのアロンソだけをケアすれば良い訳ではなかった。香川に対してボアテング、アロンソ、ラームが1対3の状況を作るように、バイエルンは特定の個人ばかりを経由してビルドアップをしようとはしなかった。

 香川が名前を挙げた「ボアテング、アロンソ、ラーム」に、特にチアゴが加わり、各選手が流動的に動いてはボールを受けて回していった。バイエルンはドルトムントに的を絞らせない。

「効果的な攻撃は出来ていなかった」と香川は振り返る。「細かく繋いで、俺がボールを受けて展開していく」というプランがドルトムントにはあったが、バイエルンのプレスも強く「効果的な攻撃は出来ていなかった」。

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