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Jリーグ 10年前

「僕が子どもたちに夢を」。笑顔の守護神・西川周作の原点。11人目のフィールドプレーヤーが目指す理想像

GKというポジションながら、確かな足元の技術で“11人目のフィールドプレーヤー”とも評される西川周作。彼の魅力は、そのプレースタイルだけではない。ファンを大切に思い、常に笑顔を絶やさない姿勢の裏には、ある名選手の存在があった。

シリーズ:J.CHAN text by 舩木渉 photo by Getty Images

南米のスター軍団との邂逅

「僕が子どもたちに夢を」。笑顔の守護神・西川周作の原点。11人目のフィールドプレーヤーが目指す理想像
西川周作【写真:Getty Images】

 日本代表と浦和レッズで活躍する西川周作がGKを始めたのは小学4年生の頃だった。元々ストライカーだった彼は、チームメイトの負傷により「体が大きいから」という理由でゴールマウスに立った。

 当時あこがれの選手は“キング”こと三浦知良だった少年は19年経ったいま、日本屈指の守護神としてその名を知られるまでになった。

 西川にとってキャリアの転機となった印象的なエピソードがある。それはプロ1年目のオフシーズン、単身アルゼンチンに渡ったときのことだ。

 名門ボカ・ジュニアーズの試合を観戦した19歳の西川は試合前、選手達の泊まるホテルの前にいた。

 このシーズンはボカが前期・後期ともにリーグ優勝を果たしており、ギジェルモ・バロ・スケロットやマルティン・パレルモ、フェルナンド・ガゴ、ロドリゴ・パラシオ、若き日のフレディ・グアリンといった選手が在籍するスター軍団だった。

 その中でも西川の目に留まった選手がいた。アルゼンチン代表の正守護神でもあったGKのロベルト・アボンダンシエリである。

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