南米のスター軍団との邂逅
日本代表と浦和レッズで活躍する西川周作がGKを始めたのは小学4年生の頃だった。元々ストライカーだった彼は、チームメイトの負傷により「体が大きいから」という理由でゴールマウスに立った。
当時あこがれの選手は“キング”こと三浦知良だった少年は19年経ったいま、日本屈指の守護神としてその名を知られるまでになった。
西川にとってキャリアの転機となった印象的なエピソードがある。それはプロ1年目のオフシーズン、単身アルゼンチンに渡ったときのことだ。
名門ボカ・ジュニアーズの試合を観戦した19歳の西川は試合前、選手達の泊まるホテルの前にいた。
このシーズンはボカが前期・後期ともにリーグ優勝を果たしており、ギジェルモ・バロ・スケロットやマルティン・パレルモ、フェルナンド・ガゴ、ロドリゴ・パラシオ、若き日のフレディ・グアリンといった選手が在籍するスター軍団だった。
その中でも西川の目に留まった選手がいた。アルゼンチン代表の正守護神でもあったGKのロベルト・アボンダンシエリである。
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