決勝進出、タイトル獲得へ。ゴールという結果を
CLの準々決勝、1-3で折り返して追い詰められたポルトとの第2戦では、ラームを右の高い位置に置いて起点とし、ロングボールも交えてパススタイルにも変化が見られたように、プレッッシングのハメどころとしての中心は消え失せてしまった。その意味で今回のバイエルン戦は、クロップの策士としての最後の腕の見せ所とも言えるのかもしれない。
そして王者との一戦で香川に求められるものは、戦術的なものよりも何よりも、やはりゴールということになるのではないだろうか。1ゴールのフランクフルト戦の後では「火曜日はまたビッグゲームで取れるように行きたいし、勝ちたい」と香川は口にした。
現在の状態に手応えを感じながら、さらなるゴールに飢えている。2戦連続で決めたことで、ゴールの価値、意味合いを再び確認しているところもあるのだろう。
それがバイエルン戦という「ビッグゲーム」で「取れる」のであれば、なおさらのことだ。ゴールは信頼を生み、連係は深まり、何より勝利を手繰り寄せることになる。
ロッベンの復帰で、バイエルンの戦術的なバリエーションはさらに広がる。ドルトムントにとってはこれ以上ない手強い相手だが、一発勝負のカップ戦では何が起こってもおかしくはない。
2連勝となったフランクフルト戦の後では「苦しい時間を乗り越えたからこそ流れが少しずつ来ている」とまた香川は言う。
「流れ」をさらに引き寄せて、決勝に進出してタイトルを掴むためにも、やはり香川にはゴールが求められるところである。
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