高萩・田中が語る日豪の違いとは
筆者は1ヵ月ほど前、WSWの高萩、田中両選手にインタビューをする機会を得た。その際、日本と豪州の異なるクラブでACLを経験している稀有な存在である2人から、非常に興味深い話を聞くことができた。
高萩は、「日本(広島)で中国や韓国のチームと対戦していた時はフィジカルで負けてしまうことがあった」と広島ではフィジカル面でチームとして苦戦を強いられる局面があったことを認めた。
さらには、日豪のフィジカルの違いを「豪州の選手は基本的に(フィジカルが)強くて、(フィジカル面で)互角以上に渡り合える。ガチンコでぶつかっても周りの選手が負けないので、その分、楽に戦える。日本のクラブは、ガチンコで負けて押し込まれる機会が増える分だけ、(中韓のクラブ相手に)苦戦してしまうのだと思う」と分析。
田中は、高萩の言に同意しつつ、「Jリーグクラブのホームスタジアムは、どこのピッチも素晴らしいし、クラブがそこでやりたいサッカーがある程度できる環境にある」と日本の恵まれた環境とアジアのよりタフな環境面の違いによる影響を指摘。「(ACLのアウェーでは、)どうしてもピッチコンディションなどの諸条件が日本側の思うような状況にないことがよくある。そういった状況で自分たちのサッカーが出来なくなり、普段やり慣れていないサッカーをやらなければいけないとなった時にフィジカルの差を突かれてしまうのではないか」。
これらのコメントは、日本の内外のクラブでACLを経験した選手が、実際に感じた違いを踏まえての貴重な教訓であり、今後のJクラブのACLの戦い方に大きな示唆を与えるものだと思うがいかがであろう。
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