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PSGの未来にイブラヒモビッチの居場所は? 立ちはだかる欧州8強の壁…打ち破るために必要なこと

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

負傷者続出も要因に。不可欠な1.5軍

 それでもチームで一番得点を挙げている限り、本人も「文句は言わせない」という気になるだろう。しかしここまでの17得点のうち7点はPKで、プレーの中では10点のみとラカゼット(18)やジニャック(16)ら、他チームの主砲に比べても著しく少ない。「オレ様」的プレーは、シーズンごとに機能しなくなっているのだ。

 審判への暴言で、現在イブラは4試合の出場停止処分中だが、彼が不在のリール戦では、ハットトリックを決めたラベッシ、同じく2得点のカバーニ、そして組み立て役のパストーレも含めた3トップはより機能的に動けている感があった。

 イブラが残った場合、来季も今年と同じくらいの成績は出せるかもしれないが、今以上の進歩は望めない。もしカバーニが残るなら、彼と相性の良い、組み立ても得点もできるフォワードの獲得が望ましい。

 もう一つ重要な点は、選手層の確保だ。選手ひとりひとりのサラリーが高いパリは、チーム全体の給与のバランスをとるため、プロ登録選手がリーグ一少ない。

 そのため、カップ戦でもほぼ同じ主力で戦うことになるが、試合数はどのクラブよりも多いという矛盾した状況にある。今季、怪我人が多発したのも、疲労が蓄積したことが大きな要因だ。

 今夏のメルカートでのターゲットには、ポグバやディ・マリアらの名前が挙がっているが、彼らのようなCLで上を狙うための精鋭要員と併せてPSGが確保すべきは、1.5軍要員だ。

 とはいっても、現実的に人選は難しいところで、今冬ボルドーに移籍してしまったシャントムのように、サブ要員として最適な人材は、フランス国内の他クラブならいくらでもレギュラーになれるため、出て行ってしまう。

 現メンバーのキャバイエ、ディーニュ、オーリエらのように、いずれも代表クラスでありながら控えにも甘んじてくれるような貴重な選手を、あと数人は欲しいところだ。

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