チームに足かせともなる“絶対的エース”
カンプノウで2-0と完敗した4日後、リーグ戦では、リールに6-1と快勝した。キックオフから数秒のうちにマクスウェルが先制点を決め、前半だけで4点のリード。後半は一瞬たるんでCKから1点獲られたが、ラベッシがハットトリックを達成するなど計6得点での大勝だった。
あの、ナイジェリア代表GKエニュアマがゴールを守るリールは、総失点数もモナコに次いで少なく、現在8位とコテンパンにやられるようなチームではない。
バルセロナ戦でのあまりの完敗ぶりにメンタル面での後遺症も懸念されたが、フランスリーグ史上、誰も達成したことのない3冠達成へと、モチベーションを切り替えた様子だ。
にしても、彼らが欧州で8強止まりの壁を超えるためには、来季はチーム改革が必須だ。そのために、まず何がなんでも必要なのは、エースの交代。
イブラヒモビッチの契約は2016年までだが、この夏、彼を手放すことをおそらくフロントは考えている。彼は良くも悪くも絶対的なエースで、チーム得点王でもある。しかし、彼のプレースタイルは周囲に犠牲を強いる。
トップとはいってもポストプレーヤーではなく、『10番』をやるほど運動量も多くない。つまりは、「オレ様」的プレーなため、彼を活かすには周りが彼のプレーに合わせることが必要になるのだ。
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