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香川真司 10年前

2戦連発の香川。信頼が深める連係、連動が生むゴール。ついに手に入れた揺るぎない自信

text by 本田千尋 photo by Getty Images

チームに好循環をもたらす連動性

「精神的な変化はすごく大きいと感じます」と香川は言う。「誰もが自信を持ってプレー出来ている」とチーム状況を振り返る。「自信」は、ドルトムントに安定と躍動をもたらした。「苦しい時間を乗り越えたからこそ」、いい「流れが少しずつ来ている」と香川は感じている。

 一時は最下位に転落した前半戦、CL決勝ラウンドのユベントス戦での惨敗、そして指揮官の辞任…そうした「苦しい時間を乗り越えた」今、ドルトムントには、ようやく揺るぎない「自信」が生まれているのだろうか。

 そしてそれは、香川自身にも言えることだ。

 62分、クーバからボールを受けた香川が、即座にぽっかりと空いた右のスペースへと大きく叩くと、有料衛星放送Skyの実況者は叫んだ。

 「Kagawa, Super !(カガワ、素晴らしい!)」

 右サイドをドゥルムが突破する。ゴール前には、ギンター、香川、オーバメヤン、ムヒタリヤン、クーバが雪崩れ込む。

 47分、49分とオーバメヤン、クーバがゴール前で香川に合わせようとしたように、2戦連続のゴールという結果が、周囲からの信頼に繋がっていることは間違いない。

 今季なかなか手に入れることが出来なかったものを、ここに来て香川はようやく手に入れつつある。信頼によって連係は深まり、連動がゴールを生む。ゴールは得点者のみならず、チームにも自信をもたらす。ドルトムントは好循環の中にある。

 フランクフルトに2-0で完勝した後で、香川は言う。

「みんなが欲しいタイトルに向けて、決勝が掛かっている。相手は最高の相手ですし、今は“このチーム状況”でしっかりと準備して行きたい」

 次は28日、DFBポカール(ドイツカップ)準決勝、バイエルン戦である。
 ライバルと雌雄を決するのは、クロップ体制ではこれが最後となる。

【了】

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