鋭さを失った“左WGのメネズ”
各選手がボールを持ってプレーしたエリアを見ると、ウディネーゼは自陣が45.88%で敵陣が54.12%。対してミランは、自陣が55.02%で敵陣が44.98%と過半数を割っていた。
どれだけボールを回そうともミランはハーフウェーラインを超えることにも苦労した。アタッキングサードでのパス本数を見ると、ミランは118本でウディネーゼは101本。17本ほど上回ってはいるが、前述の通りパス成功数では177本も上回り、パス総本数では182本も上回っている。
中盤でゲームメイク、チャンスメイクを担うはずのボナベントゥーラとファン・ヒンケルが作り出したチャンスは、ボナベントゥーラのわずか1回。パスはそのほとんどが横方向で、相手にとって脅威を与えるようなプレーは全くと言っていいほど無かった。
ウディネーゼの中盤では、ピンツィとバドゥが得点を決め、ギレルメが5度のチャンスメイク、アランが4度のチャンスメイクで勝利に貢献したのと対照的なパフォーマンスとなった。
前線では、センターFWにパッツィーニ、左WGにメネズ、右WGにスソが先発したものの、コンビネーションや連動性以前にその役割や狙いも見えなかった。
特に、今季センターFWとして起用されることで、自らの新たな可能性を見出したメネズだが、左WGでのプレーとなると相手にとって怖さ半減。もちろん、左WGでも得点を決めた試合もあるが、独力でゴールまで迫れるその長所はセンターFWで起用した方が魅力的に感じる。
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