懸念すべきFFP規定。インテルの未来は不透明
ただ現時点で、長友の移籍が既定路線とみなしたり、彼の移籍先がどこになりそうなのかなどと話を広げるのは意味がないだろう。その手の情報は出回っていないし、何よりインテル自体が補強ができるかどうかが不透明だからだ。
赤字決済を滅却できず、UEFAファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の規定に接触しているインテルは、高い確率で制裁を喰らうことになる。制裁内容は5月5日に通達される模様だが、予想されるのは600万~700万ユーロ程度の罰金にUEFA主催大会選手登録の制限(24名から21名に縮小)、そして選手獲得などもUEFAの監視下に置かれるということだ。
つまり、現在のところ選手補強がどこまでできるのかということは未知数だ。ただでさえ冬に獲得したシャキリやサントンの買い取り義務が発生する状況で、かつ赤字決済の残っている状態では、仮に選手を放出して移籍金を得ても選手補強に回させてもらえない可能性もある。
そのとき果たして、サイドバックが優先すべき補強ポジションとなるかどうかはわからない。ヴィダ獲得にはすでに1000万ユーロ以上の移籍金が必要だと言われているし、その他のビッグネームを引っ張ってこようと思えばそれなりに掛かる。移籍金が350万ユーロと比較的安価なズカノビッチが噂に登っているのは、その意味で理屈が通るといえる。もっとも地元ファンの間には「誰だそれは?」という反応も多いようだが…。
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