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代表 10年前

若い世代が台頭するタイ代表、目指すはアジア最終予選。かつての名選手の下で復権なるか

text by 長沢正博

次世代の注目選手も続々と誕生

若い世代が台頭するタイ代表、目指すはアジア最終予選。かつての名選手の下で復権なるか
ススギカップで優勝を果たしたタイ代表はW杯アジア最終予選へと進出できるだろうか【写真:Getty Images】

 チャナティップらだけでなく、将来が楽しみな次の世代も育っている。タイは3月に開かれたU-23アジア選手権予選で勝ち点で北朝鮮に並びながら得失点差でグループ2位となり、各組2位の成績上位5チームに入って来年1月にカタールで行われる本戦への出場を決めている。

 予選初戦のカンボジア戦で、途中出場ながらアディショナルタイムに勝ち越しゴールを決めたFWチェンロップ(BECテロ・サーサナ)は19歳。その試合で負傷したMFティッティパン(ムアントン・ユナイテッド)の穴をその後十分に埋めたチャオワット(ブリーラム・ユナイテッド)は18歳だ。

 さらに、予選3試合とも途中出場し、独特なボールタッチで攻撃にアクセントを加えたタナシット(バンコクグラス)も19歳と、10代の選手が躍動した。「組み合わせ次第では(五輪出場の)可能性が持てる」とキャティサック監督は見ており、こちらも楽しみだ。出場すれば、日本が銅メダルを獲得した1968年のメキシコ五輪以来、約半世紀ぶりとなる。

 一方で指揮官は、悲願のW杯初出場へ高まるサポーターの期待に「まだその準備はできていない。どんなことにも時間がかかる。チームは若く、もっと多くの経験が必要だ。4年から6年経てばもっと強いチームになるだろう」と以前語っており、冷静に状況を見つめている。若きチームにさらなる経験を積ませる上でも、3次予選への進出はぜひとも果たしたいところだ。

 東南アジアからW杯アジア最終予選まで進んだ国は、2002年日韓共催大会予選でのタイまでさかのぼる。その時に予選全体を通じて10得点と爆発したのが、他ならぬキャティサック本人だ。今度は指導者としてタイを最終予選に導けるか、注目が集まる。

【了】

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