チャナティップら若手選手が活躍
代表チームの躍進の要因には、タイの若手選手の台頭もある。小柄ながら高いテクニックを持つMFチャナティップ(BECテロ・サーサナ)はまだ21歳。以前は積極的にドリブルを仕掛けることでチャンスを生み出していたが、最近は中盤からのゲームメイクという点でも成長を見せている。2013年には清水エスパルスにも練習参加している。
スイス人の父とタイ人の母を持ち、スイスU-17代表としてU-17W杯優勝経験もあるMFチャプイス(スパンブリー)は現在、膝を痛めているが、予選途中からチームに復帰してくるはずだ。23歳の彼はスズキカップ決勝の第2戦では、起死回生のアウェイゴールをあげ、端正なマスクも相まってタイではヒーローになっている。
中盤のアンカーの位置に入ることが多い22歳のサーラ(ムアントン・ユナイテッド)は、体格は大きくないものの、豊富な運動量で相手のチャンスの芽を摘み、チャンスとあれば積極的に前線に攻め上がる。
左サイドバックのティーラトン(ブリーラム・ユナイテッド)もまだ25歳。彼の左足は対戦国の脅威になるはずだ。今年のAFCチャンピオンズリーグのガンバ大阪戦ではアウェイでFK、ホームではCKから直接ゴールを奪い、印象に残っている人も多いだろう。また、チームメイトで右サイドバックのナルバディン(20歳)も成長株で、積極的な攻撃参加が持ち味だ。
今年、スペイン一部リーグのUDアルメリアからムアントン・ユナイテッドに復帰したFWティーラシン(26歳)はまだ本調子を取り戻していないものの、やはりフィジカル、テクニック共に優れている。先日のカメルーンとの親善試合で久々に代表復帰を果たした。そのティーラシンを欠いたスズキカップで活躍したアディサック(24歳)もストライカーとして高い能力を持っている。
最後尾のGKには安定感ある25歳のガウィン(ムアントン・ユナイテッド)がおり、20代前半の選手を中心に、攻守ともにバランスのとれたチームに仕上がっている。ボールを持てばサイドバックも積極的に攻め上がり、パスを細かく繋ぎながら攻撃を組み立てる。相手がボールを持てば全員が最後まで足を止めず、身体を張ってディフェンスをする。