2得点で勝利に貢献したパトリック【写真:Getty Images】
【広州富力 0-5 ガンバ大阪 ACLグループF 第5節】
AFCアジアチャンピオンズリーグ(AFC)グループFの第5節が行われ、Jリーグ王者のガンバ大阪はアウェイで広州富力と対戦した。
前節G大阪はアウェイでブリーラムに劇的勝利を収め、決勝トーナメント進出の可能性を残した。今節に敗れれば無条件で敗退が決まってしまう状況に変わりはないが、好調を維持しており、連勝に期待がかかる。
ホームの広州富力は大会初戦でG大阪を2-0で下しているが、その試合以来勝利から遠ざかっている。主力を務めてきた2人の韓国人、チャン・ヒョンスとパク・ジョンウは欠場となったが、グループ突破には勝利が絶対条件だ。
序盤は互いに出方をうかがう展開となったが、徐々にG大阪がペースを掴む。すると14分、宇佐美からのロングボールをエリア内まで走りこんでいた遠藤が頭で落とし、最後はパトリックが押し込んで貴重な先制点を手にした。
33分には左サイドに流れた宇佐美の仕掛けからのクロスにパトリックが飛び込むも、これは枠のわずか右に逸れる。G大阪は宇佐美とパトリックの個の力を遠藤や今野らが後ろから支える形で効果的なチャンスを生み出していった。
そして43分、再び左サイドに流れた宇佐美が右足アウトサイドで絶妙なクロスを上げると、ゴール前でパトリックが正確に落とし、2列目からゴール前に侵入した阿部がフィニッシュ。リードを2点に広げる。
直後の45分、ピッチ中央でボールを受けた宇佐美が相手ディフェンスラインの裏に浮き球パスを送り、それに反応したパトリックがGKとの1対1を制してゴールに流し込んだ。
前半のうちに勝利を大きく引き寄せる3点目を奪ったG大阪は後半に入っても主導権を握る。
敗れれば敗退濃厚となる広州富力は、55分に司令塔ミチェルを下げてルー・リンを投入。組み立てのリズムに変化を与えて流れを引き寄せようとする。
しかし、次の1点もG大阪に生まれた。68分、センターサークル付近でボールを拾った宇佐美が右サイドを駆け上がった途中出場のリンスにスルーパスを送り、折り返しを阿部が流し込んで4点差。勝利を確実なものにする。
70分には同じような形から、リンスのパスを今度は宇佐美がゴール正面で受け、冷静にゴール右隅を射抜く。G大阪はエースの今大会初ゴール、公式戦3試合連続得点で点差を5に広げた。
終盤は敗戦濃厚になった広州富力の選手たちがラフプレーを繰り出すようになり、80分には藤春が倒されたタックルに大森が激怒して乱闘寸前に。このプレーで大森と岩下にイエローカードが提示され、前者は今大会累積2枚目の警告で次節出場停止となった。
また、広州富力の主将チャン・ヤオクンにこの試合2枚目のイエローカードが提示されて退場となり、5点ビハインドを背負ったうえ10人でのプレーを余儀なくされた。
こうなるとさすがの広州富力も反撃の力は残っておらず、今季最多の5得点を奪ったG大阪がブリーラム戦に続く連勝を飾り、勝ち点を7に伸ばしている。
G大阪のグループステージ最終戦は来月6日のホーム城南一和戦だ。今節ブリーラムを破って勝ち点を10に伸ばし、グループ首位に立つ韓国の雄に勝利すれば、決勝トーナメント進出がほぼ決定する。
【得点者】
14分 0-1 パトリック(G大阪)
43分 0-2 阿部(G大阪)
45分 0-3 パトリック(G大阪)
68分 0-4 阿部(G大阪)
70分 0-5 宇佐美(G大阪)
【了】