世界的富豪が住むモナコ。サッカーへの関心は薄い?
しかし、モナコにとってホームでの試合が有利なものとはいえない。今季、リーグ・アン33節を終えて16勝11分け3敗の勝ち点59で3位につけているものの、ホームでは6勝9分け2敗の勝ち点27。アウェイでは10勝2分け4敗で勝ち点32を稼いでいるだけに、むしろホームの方が成績を残せていない。
アーセナルとのベスト16でもエミレーツ・スタジアムで3-1と勝利を収めながら、ホームでの2ndレグでは0-2と敗戦。アウェイゴール差での勝ち上がりとなった。
この理由には、モナコという一種独特の土地柄がある。南仏は地中海に位置する都市国家であるモナコは、世界屈指のリゾート地。さらには、所得税を課さないタックス・ヘイブンであるため、居住者はF1レーサーや世界的大富豪などケタ違いのセレブが多い。
そのため、このモナコというクラブに熱狂的なサポーターは少なく、1万8500人収容のスタジアムが埋まることはごくごくまれ。今季、リーグ・アンでの平均動員数はわずか7811人。これは2014年のFC岐阜とほぼ同数。世界的ビッグスターがそろうパリ・サンジェルマンを迎えようとチケットが完売することはない。
もちろんCLでは平均1万2372人を動員してはいるものの、世界中から高い関心を集めるビッグゲームで1万8500枚が完売しないのは寂しい。ホームでのサポーターによる後押しの少なさは成績に直結しているといえるだろう。
むしろ、左うちわで試合を眺めるセレブたちより、トリノからモナコまで鉄道に揺られること約6時間の旅を経て集うサポーターの後押しの方が強い力を持っているはず。このコート・ダジュールでの一戦は、アウェイのユベントスに分があるのかもしれない…。
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