逆転に成功した要因とは
最終的に6-1でバイエルンの圧勝となった結果が、1stレグと打って変わった要因の1つにはアロンソを外したことが挙げられるだろう。
つまりバイエルンはビルドアップの過程で、特にジャクソン・マルティネスを相手にアロンソを飛ばした。CBのバドシュトゥーバーから、右サイドのラームへのロングフィードや、ボアテングからエリア前に走るチアゴに対してロングボールを送るなど、バイエルンはCBからアロンソを経由する後方からの丁寧なビルドアップを省略する。
ポルト戦でのバイエルンのパス本数は、1stレグでは632本を記録したが、2ndレグでは502本に留まったのはそうしたパススタイルの変化の表れと言えるだろう。ショートパスが減少し、ロングパスが増加した。
一方、マルティネスは1stレグと変わらずアロンソについて回っていたが、バイエルンのアロンソ飛ばしもあってか、浮いた格好となった。ポルトのプレッシングは空転した。右サイドの高い位置にラームという起点を置いたことも、その一因と言えるだろう。
指揮官ロペデギは「前半はひどい出来だったね。ボールを全く持てなかった。バイエルンのようなチームと相対するには90分間ベストの状態である必要があるが、我々はそれが出来なかった。我々は悲しい」と言う。後半は3バックに変更して神がかったバイエルンに対抗したが、73分にマルティネスが1点を返すに留まった。
88分、アロンソは直接FKを突き刺して、ポルトに止めを刺す。1stレグでマルティネスにボールを奪われて、PKを献上することになった借りを返した。6-1のスコアで「クレイジー」にポルトを圧倒して、バイエルンが準決勝へと駒を進めた。
【了】