2シーズンで見出した新たなスタイル
6節の湘南ベルマーレ戦を終えた時点で7得点を叩き出し、単独で得点ランクのトップ。目標と公言する得点王に向けて快調にひた走るガンバ大阪の宇佐美貴史だが、残して来たゴールが今季の成長を雄弁に語ってくれる。
クロスを合わせたり、こぼれ球に飛び込んだりして奪ったゴールに宇佐美らしい華麗さはないが、「ザ・ストライカー」とでも言うべきゴールを今季、宇佐美は追い求めている。
2013年6月にガンバ大阪に復帰して以来、FWとしての才覚に期待した長谷川健太監督は点取り屋としての宇佐美に期待し続けて来た。
遠藤保仁と前線でコンビを組んだ場合はよりフィニッシュに専念し、ロチャやパトリックが相棒ならばやや引いた位置で組み立てにも絡みながら、相手ゴールに迫るのだ。
「攻撃で僕に出来ないことはない」。こう言い切る背番号39が過去2シーズンで見出したプレースタイルが「9.5番」だった。
ストライカーでもなければ、ゲームメーカーでもない役割――。
「10になりすぎてもいけないし、9になりすぎるスタイルでもない」(宇佐美)。
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