「GKクルーゼを打ち負かすのに全く苦労しなかった」
「クロップ:勝者の涙」と大きく見出しを付けたのは、2015年4月19日付の独大衆紙ビルトである。
監督クロップが辞任を発表して3日後のブンデスリーガ第29節、ドルトムントはホームでパーダーボルンを相手に3-0のスコアで勝利した。ビルト日曜版によれば、試合開始前の15時26分、クロップの目には微かに光るものがあったという。
ビルト日曜版によるパーダーボルン戦のドルトムントの先発メンバーの採点は次のとおり。
【GK】バイデンフェラー「3」、【DF】ドゥルム「3」、ソクラティス「3」、フンメルス「3」、シュメルツァー「2」、【MF】ギュンドガン「3」、ギンター「2」、ブワシュチコフスキ「3」、香川真司「2」、ムヒタリヤン「2」、【FW】オーバメヤン「2」。
香川には「2」と高評価である。
香川に「2」の採点が付けられた理由としては、まず何よりゴールを奪ったからだろう。80分、香川はムヒタリヤンのパスに抜け出して、ドルトムントの3点目となるゴールを挙げた。
香川のゴールについてビルト日曜版は「80分:ムヒタリヤンからペナルティエリア内へー香川へのさらなる正確なパス。日本人はGKクルーゼを打ち負かすのに全く苦労しなかった――。0-3」と記している。ゴールほど高評価に繋がる分かりやすい指標もない。
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