整いつつあるインテルのSB。ミランに新たな可能性も
しかし、その最後の一手を決められないのが、現在の順位に反映されているのだろう。結局のところ、今季のミラノ・ダービーは9位と10位の戦いということだ。
かつてイタリアのみならず、世界中のサッカーファンが熱狂したこの一戦も、今では中位チームによる対戦でしかなくなってしまったのだろうか…。
とはいえ、プラス材料がなかったわけではない。前述の通り、インテルは壊滅的だった今季序盤~中盤と比べて確実に完成度が高まっている。来季もマンチーニ監督の下でしっかりとチーム作りができれば、巻き返しの可能性は十分にある。
ミランにもスソという新たな可能性が現れた。まだまだ1人で流れを変えるほどの力はないが、ドリブルでの突破やカットインからのシュートなど現在のミランに欠けている要素を持っている。
まだ21歳と若く、これからの残り7試合でも成長する余地は大いにある。成長次第では来季以降、重要な戦力となるだろう。両チームともに微かながら来季へ向けて希望の光は見えている。
そんな中で、来季のミラノに長友と本田の居場所はあるのだろうか? インテルは不調中のドドに加えて、この試合で本来CBのフアン・ヘススが左SBとして好パフォーマンスを見せ、右のダンブロージオとともに無失点に貢献。さらにはサントンもおり、SBの陣容は整いつつある。
本田は、今季序盤には欠かせない存在とまでなりつつあったが、今ではミラン自体に本田が活きる要素がない。むしろチームを変えた方が自らのキャリアにはプラスとなるかもしれない。
ミラノ・ダービーでの日本人対決というトピックスは、2014年11月23日の17分間のみとなる可能性は否定できない。
【了】