攻撃面では上回ったインテル。守備に奔走したミラン
0-0のスコアレスドロー。一般的にゴールシーンが無い試合には見所も無く、“凡戦”と言われることが多い。実際、このミランとインテルによるミラノ・ダービーも率直な感想としては“凡戦”だった。
もちろん、両チームとも攻撃以上に守備面で好パフォーマンスを見せたもいえる。データサイト『Sqawka.com』のパフォーマンススコア(攻撃、守備、ポゼッションでの評価)では、インテルが総合367点中守備で196点、ミランが同268点中守備で225点だった。
同じ街を共有するライバルに敗戦だけは許されない。特に、両チームとも今季は大きく低迷し、サポーターの不満も爆発中。その中でこの一戦はチケットが完売するほどの大入りとなった。そのような状況で宿敵に敗れるようなことがあれば、今後の戦いにも影響を及ぼすはずだ。
それでも、このパフォーマンススコアの採点からも分かることは、よりインテルが勝利を目指していたということ。総合点ではインテルが上回りながらも守備の採点ではミランが上。ミランがより守備に奔走していた。
試合後のスタッツを見ると、支配率で55.3%(インテル):44.7%(ミラン)、パス本数469本:376本、アタッキングサードでのパス本数136本:118本、クロス本数30本:13本、チャンスメイク数12本:5本、シュート本数17本:6本。
すべての面でインテルが上回っていた。試合を見ても、DFラインと中盤はインテルがより完成度が高く、決定的なチャンスも多く作り出していた。
逆にミランは、頼りのメネズが沈黙。GKディエゴ・ロペスを中心にゴールを守り切ったことで勝ち点1は獲得したものの、やはり攻撃面で個人技頼りの傾向は抜けず、組織的に守られては簡単に封じられてしまう。
この一戦で勝ち点1しか積み上げられなかったことにインテル側は“アンフェアな結果”と感じているかもしれない。1点まであと一歩と迫ったシーンは何度もあった。