「プロとして」戦った香川
試合後に「そこはプロとしてやらなきゃいけない」と、香川真司は言葉を残した。優勝の可能性を残しているDFBポカール(ドイツカップ)は別として、残り少なくなったリーグ戦のモチベーションの置き方について難しいところはある。
しかし「プロとして」戦わなければならない。そしてそれは、指揮官クロップの辞任という事実とは、また違う次元で捉えられるべきものでもある。
4月18日のブンデスリーガ第29節、10位ドルトムントは、16位パダーボルンをホームに迎えた。
前半は11本のシュート数を記録しながら、ゴールを割ることが出来なかったドルトムントだが、47分にミキタリヤンが均衡を破る。ブワシュチコフスキが右サイドのオーバメヤンへ。オーバメヤンがクロスを入れる。ミキタリヤンが頭で合わせて、ドルトムントが先制する。
「勢いが増すというか、自信が増すというか、積極性が出て行く」ーー後半の立ち上がりという良い時間帯でゴールを奪ったことで、香川がそう振り返ったように、ここからドルトムントは前半の停滞を打ち破っていく。
前節ボルシアMG戦に比べて、香川の動きは格段に良くなった。トップ下で先発した香川は、ボールが足に良く付いた。53分の、ギュンドアンからボールを受けてドルブルを始めて、右のミキタリヤンにパスを送る、といったような何気ない一連の流れをスムーズに回した。
そしてそれは香川だけではなかった。ムヒタリヤンのゴールを境に、さらにチーム全体の「勢い」と「自信」、そして「積極性」が増していった。54分には、ギンターのパスに抜け出したオーバメヤンが追加点を決める。
ムヒタリヤンの先制点について香川が「全ては点が取れることがどれだけ大きいかというのが、証明出来たんじゃないかなと思います」とも振り返るように、ドルトムントはじわじわとさらにゴールへと迫った。