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香川真司 10年前

「まだ物足りない」。貪欲な姿勢の香川。恩師退任に「寂しさ」も前を向く「新たな挑戦」

ドルトムントは18日、ホームに18位パダーボルンを迎え、3-0で勝利した。恩師であるユルゲン・クロップ監督の退任発表後の初めての試合で、香川真司はゴールという最高の形で答えた。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「プロとして」戦った香川

「まだ物足りない」。貪欲な姿勢の香川。恩師退任に「寂しさ」も前を向く「新たな挑戦」
パダーボルン戦で今季3得点目を挙げた香川真司【写真:Getty Images】

 試合後に「そこはプロとしてやらなきゃいけない」と、香川真司は言葉を残した。優勝の可能性を残しているDFBポカール(ドイツカップ)は別として、残り少なくなったリーグ戦のモチベーションの置き方について難しいところはある。

 しかし「プロとして」戦わなければならない。そしてそれは、指揮官クロップの辞任という事実とは、また違う次元で捉えられるべきものでもある。

 4月18日のブンデスリーガ第29節、10位ドルトムントは、16位パダーボルンをホームに迎えた。

 前半は11本のシュート数を記録しながら、ゴールを割ることが出来なかったドルトムントだが、47分にミキタリヤンが均衡を破る。ブワシュチコフスキが右サイドのオーバメヤンへ。オーバメヤンがクロスを入れる。ミキタリヤンが頭で合わせて、ドルトムントが先制する。

「勢いが増すというか、自信が増すというか、積極性が出て行く」ーー後半の立ち上がりという良い時間帯でゴールを奪ったことで、香川がそう振り返ったように、ここからドルトムントは前半の停滞を打ち破っていく。

 前節ボルシアMG戦に比べて、香川の動きは格段に良くなった。トップ下で先発した香川は、ボールが足に良く付いた。53分の、ギュンドアンからボールを受けてドルブルを始めて、右のミキタリヤンにパスを送る、といったような何気ない一連の流れをスムーズに回した。

 そしてそれは香川だけではなかった。ムヒタリヤンのゴールを境に、さらにチーム全体の「勢い」と「自信」、そして「積極性」が増していった。54分には、ギンターのパスに抜け出したオーバメヤンが追加点を決める。

 ムヒタリヤンの先制点について香川が「全ては点が取れることがどれだけ大きいかというのが、証明出来たんじゃないかなと思います」とも振り返るように、ドルトムントはじわじわとさらにゴールへと迫った。

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