コンディション不良の長友
一方インテルの長友については、3バックの採用が先発出場を左右するとみられていた。だがマンチーニ監督は4バックで行く模様だ。同監督は18日の会見で「本来はどんなシステムでも機能することが理想」としたものの、「出場停止者も中盤に2人いて、(前節の)エラス・ベローナ戦の布陣をキープできないのが残念。だが代わりに入って来る選手が機能し流れを維持することを望む」と4-3-1-2の踏襲を示唆した。
それに加えて、長友は2ヶ月近く実戦はおろか練習からも遠ざかっていたことも響いている。マンチーニ監督は「彼が(ベンチ入りした過去2戦で)プレーしなかったのはフィジカルコンディションの問題」と語っていた。
彼自身も前節の試合後「2ヶ月練習をやっていないと、なかなかコンディションを上げるのは大変。ミラノダービーはありますけど、焦らずにしっかりと、けがを繰り返さないように体作りから始めないと」と慎重な発言をしていた。
インテルに移籍してから戦術理解力や技術そのものも目覚しく伸びたとはいえ、長友はやはり90分間で落ちないスピードと運動量を発揮してなんぼの選手である。マンチーニ監督は「長友が走るのが好き」という表現で彼のストロングポイントに注目しているが、活躍にはフィジカルコンディションが整っていることが大前提だ。
現在のチーム状態にある程度見切りをつけたのか、ポゼッションサッカーを志向していたマンチーニ監督は前節から守備を固めてからのカウンター主体に戦術を切り替えた。3バックも練習では試していると報じられており、来季を見据えた意味での試行錯誤を今後も行うと考えられる。
ドドが故障している現在、左WBが出来るのは長友かダンブロージオしかいない。3バックへの変更はWBとしての経験がないサントンが慣れるか、もしくは長友の復調を待ってということなのかもしれないと期待してみるが、いずれにせよコンディションを戻してから。ケガ再発のリスクも考慮してのトレーニングは我慢を強いられることだろうが、完全復活を望みたい。
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