指揮官の退任にドイツ紙の一面を飾る
翌日の朝刊には、ユルゲン・クロップの顔が並んだ。フットボールではお馴染みのビルト紙、キッカー紙だけではない。目を移せば、ルールナッハリヒテン紙、ライニッシェポスト紙、スードドイチュツァイトゥング紙…。一般各紙でもボルシア・ドルトムントの指揮官を7年に渡って務め上げたクロップの姿が一面を飾っている。
15日の記者会見で、クロップは辞任を発表した。それはいささか不意打ちのようにも感じられたが、16日付のドイツ各紙には、驚きのようなものはない。来るべき時が来た、そういったところだ。
今シーズンのドルトムント、つまりクロップのフットボールが行き詰っていたことは、誰が見ても明らかだった。ブンデスリーガの各チームは、既にそのスタイルを知り、十分に戦略を練った上でドルトムントに挑んできた。
相次ぐ負傷離脱者といった不運に悩まされたところもあったが、こちらの戦術を封じようと徹底する対戦相手の前にドルトムントはもがき苦しみ、一時は最下位にまで転落してしまう。クロップは昼夜問わず頭を悩ませ、何とか知恵を振り絞り、現在ドルトムントは降格の危機を脱して、ようやくブンデスリーガで10位に付けている。
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