ポルトに完敗のバイエルン
思い起こされるのは、シャルケの内田篤人の言葉だ。2月18日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)の決勝ラウンド1回戦、ホームでの敗戦の後で、内田はレアル・マドリーについて次のように述べている。
「いいチームは個もあるし、クラブの連携もある。どっちかだけじゃない」
マドリーを目の当たりにした内田の言葉を借りれば、個と組織が高い次元で融合したチーム、それがCLという大舞台での「いいチーム」ということになるだろうか。
それからおよそ2ヶ月後の4月15日、同じくCLの準々決勝、アウェイでバイエルンはポルトに1-3で敗れた。完敗だった。
開始後10分間で、バイエルンはポルトに2点を奪われてしまう。試合後にラームは「僕たちは常に後方からビルドアップをしようとするけど、このスタイルは危険なものになることもある」と振り返る。
試合が始まって1分、「後方からビルドアップをしようとする」バイエルンに対して、クアレスマ、マルティネス、ブライミの3トップがじっくりと対峙する。そしてボールが、DFラインまで下がったアロンソに入ったときだった。マルティネスがスピードを上げてボールを奪う。エリア内でノイアーに倒されて、PKを獲得する。クアレスマが決めて、ポルトが先制する。
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