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ポジションを超越した“奇跡の3トップ”。神出鬼没のメッシ、全てが凝縮されたスアレスの2得点

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

右ウイングながら主に中央でプレーしたメッシ

 一方、右サイドとして先発したメッシは、ビルドアップ時にセンターサークル内に居たり、カウンター時にペナルティアーク付近に佇んでいたり、時には左サイドから攻め込む場面も見られた。

 ネイマール同様にアタッキングサードのプレーエリアを見ると、右サイドが8.16%、中央が41.23%、さらに左サイドでも2.04%を記録。縦に3分割すると、右サイドが20.41%、中央が77.55%、左サイドが2.04%となっており、ほぼセンターラインの選手だった。

 前述した先制ゴールのシーンでは、中央をドリブルで攻め込み、PSGのDF陣をギリギリまで引きつけて左のネイマールに完璧なスルーパスを送っている。いとも簡単にプレーしているようにも見えるが、スキル、スピード、フィジカルが高い次元で備わっていなければ出来ない高度なプレーだ。

 逆に、この日2得点を挙げたスアレスのアタッキングサードでのプレーエリアを見ると、中央が38.63%、左サイドが18.19%、そして右サイドが18.18%。さらに縦に3分割すると中央が54.55%、左が25%、右が20.45%だった。

 噛み付き事件による出場停止からの復帰当初は右ウイングとして起用されたことで、なかなか得点が決められず批判の声も上がっていたが、センターFWとして起用さるようになってからはリバプール時代の得点力を取り戻し、ここまで公式戦18得点15アシスト。

 スアレスのプレーは中央で構えるFWではなく、サイドに流れることでリズムを作り、自らの得点と味方へのチャンスメイクを可能としている。67分のチーム2点目となるゴールは、一度右サイドに開いてボールを受けてから中へ切り込んでのものであり、79分のチーム3点目は中央を突破してもの。

 この2得点のシーンもメッシのアシスト同様にスキル、スピード、フィジカルが高い次元で備わっていなければ出来ない高度なプレーであり、この2度の場面にスアレスの全てが凝縮されていた。

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