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ポジションを超越した“奇跡の3トップ”。神出鬼没のメッシ、全てが凝縮されたスアレスの2得点

チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8、1stレグ。バルセロナはパリ・サンジェルマン(PSG)とアウェイで対戦して3-1で勝利。メッシ、スアレス、ネイマールの3トップがその実力をいかんなく発揮した。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

生粋の“カットイン型ウイング”ネイマール

ポジションを超越した“奇跡の3トップ”。神出鬼没のメッシ、全てが凝縮されたスアレスの2得点
一際異彩を放っていたのは、やはりリオネル・メッシ【写真:Getty Images】

 サッカーにおいて、「フォーメーション」は非常に重要な意味を持つ。監督にとっては、まず手始めに自らの個性を反映させる部分でもあり、選手にとっては監督の選択次第で出場機会の有無までも左右される。

 そのピッチ上に配置される11人にはそれぞれ役割の異なる「ポジション」が存在する。テクニック、パワー、スピード、運動量、高さなど求められる要素はポジションごとに多様であり、たとえリフティングが出来なくとも圧倒的な運動量があれば世界に通用する選手となれるポジションもある。

 PSG対バルセロナ。この一戦で注目したのは、プレビューでも紹介したとおり「サイド」。サイドバック、ウイングバック、サイドハーフ、ウイングと大きく4つに分けられるこのポジションから、同じく4-1-2-3で戦うこの両チームはサイドバックとウイングを採用している。

 パルク・デ・プランスのピッチでサイドを務めた4選手中、一際異彩を放っていたのは、やはりメッシだった。

 メッシが務めるポジション「ウイング」のステレオタイプといえば、スピードに乗ったドリブルで相手陣内へ攻め込みクロスを送る。もしくは、サイドから中へカットインしてシュートやチャンスメイクを狙うといったものがある。

 例えばネイマールは後者。この試合のプレーエリア(ボールを持ってプレーした位置)を見ると、アタッキングサードの左サイドは11.54%だったのに対して中央は33.34%。よりゴールに近い位置取りをしている。

 それでも、ピッチを縦に3分割すると、左サイドが50%、中央が50%、右サイドが0%。さらに縦半分に分ければ完全に左サイドに寄っている。つまり、ネイマールは生粋の“カットイン型ウイング”。彼のスキルとスピードはこのポジションを務めるにあたって最高のレベルにある。18分の先制ゴールはまさに真骨頂だった。

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