幸運だった同点弾。勝ち点1は大きな成果
実際、チームがスムーズにパスを回している間、メネズとチェルチの両ウイングはあまり存在感がなく、最前線のデストロは孤立。サンプドリアにとって、守備を固めてカウンターを狙うには絶好の相手だったはずだ。
好調だった今季序盤は、こいうったパス回しにエル・シャーラウィと本田の両ウイングはしっかりと絡めていた。その結果、“0トップ”のメネズも生かされてボールを深い位置まで運ぶことも可能となっていた。
そして57分、ミランはCKからカウンターを許すと、ポジションを左サイドからセカンドトップへと移したサミュエル・エトーにタメを作られてDFが崩壊。「攻め込めている」と感じていたはずのミランにとっては痛恨、しかしサンプドリアにとっては「狙い通り」だった先制点が決まった。
その後もミランに効果的な攻撃は生まれず、苦しい状況が続いた74分、同点弾は意外な形で生まれた。CKからデヨングが“バイシクルシュート”を放つと、相手DFダンカンに当たりオウンゴールに。
このような相手の術中にハマりつつあった展開でつかんだ勝ち点1は、ミランにとって大きな成果といえる。
とはいえ、この試合でも3分の2まではチームとして機能することが出来ていた。次節迎えるのはインテルとのミラノダービー。負傷中の本田も復帰できると見られている。残り3分の1をつなげる存在として本田は必要となるはず。というより、現在のミランのウイングには本田以外にその資質を持つ選手はいない。
もっとも、この状況がインザーギ監督によって生み出されたのもかは定かではないが…。
【了】