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セリエA 10年前

形なきミランが見せた「3分の2の機能」。次節ダービー、本田は残り3分の1をつなぐ存在となるか

セリエA第30節、ミランはホームでサンプドリアと対戦して1-1のドロー。内容では上回っていたようにも見えるが、先制したのはサンプドリア。しかし、相手の術中にハマりつつある中で奪った勝ち点1は貴重な成果といえる。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

カウンターを主とするサンプドリアペースの一戦

形なきミランが見せた「3分の2の機能」。次節ダービー、本田は残り3分の1をつなぐ存在となるか
ジェレミー・メネズ【写真:Getty Images】

 今季初の3連勝はならず。それでも1-1という結果は悪いものではない。この日の相手、サンプドリアは前節フィオレンティーナには0-2と敗戦を喫したものの、その前にはインテルとローマを撃破。今のミランにとっては、“格上”と言っても良い相手だった。

 試合内容を見ても、1-1は十分にフェアなスコアだった。スタッツでは、支配率58.1%(ミラン):41.9%(サンプドリア)、パス本数474本:328本、アタッキングサードでのパス本数170本:101本、シュート数24本:11本といずれもミランが上回っている。

 しかし、サンプドリアはカウンターを基本とするチーム。今季の平均ボール支配率は49%と過半数を下回りながらも5位と好位置に付けており、前述のインテル戦でもローマ戦でもこのミラン戦同様に支配率、パス数、シュート数で下回りながら勝ち点3をゲットしている。

 そういった意味では、ボールは持ちながらチームカラーがはっきりしないミランよりも、サンプドリアのペースで進んでいた試合だったとも言えるだろう。

 年明け以降チームとしての戦い方、勝つためのゲームプランを見失っていたミランだが、ジェレミー・メネズの個人技を生かすことでカリアリ戦、パレルモ戦で2連勝を飾った。

 このサンプドリア戦の立ち上がりも勢いそのままに積極的な姿勢で攻撃へと繰り出していた。アンカーのデヨングを中心にインサイドハーフのファン・ヒンケル、ボナベントゥーラがパスを回し、アントネッリとアバーテの両SBが絡む。

 一見すると、前半はミランが主導権を握っていたようにも見えた。しかし決定的なチャンスはなし。チームに染み込んだ攻撃の形を持っていないため、ボールを回しながらも全体でイメージを共有できてはいない様子だった。

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