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香川真司 10年前

「ナンセンス」だった3失点。香川もこじ開けられなかったボルシアMG。洗練度、完成度の違いが浮き彫りに

text by 本田千尋 photo by Getty Images

3位と10位の差が現れた完敗

 しかしホッフェンハイム戦を120分戦った影響を引きずっているのか、ドルトムントは全体的に動きが重い。攻守両面において、チームとしての形がなかった。13分という前半の序盤ですら、カウンターに出る力がない。

 ドルトムントのアイデンティティとも言えるプレッシングも、ボルシアMG特有の長いパス回しの前に、バイエルンを苦しめた勢いはどこにもなかった。

 31分、自陣中央からドルブルを開始したヘアマンを、ギュンドアン、ケール、スボティッチ…誰も止めることが出来ない。ヘアマンはバイデンフェラーの前で折り返すと、ラファエルが難なく決めた。0-2。

 後半開始直後、ドルトムントは少し勢いを取り戻した。49分、カウンターで左サイドを駆け上がったシュメルツァーから、香川へ。また、51分には、フンメルスのロングボールから、右サイドでブワシュチコフスキが粘って、中央に走り込む香川へ。

 しかしいずれも決め切ることは出来ない。試合のペースは再びボルシアMGへ。チャカがゲームをコントロールする。62分、香川はラモスと交代となった。

 そして66分、クルーゼの右のCKから、ボールは流れて、ノルドヴァイトが蹴り込んだ。0-3。

 クロップは「今日、我々が相手に許した各々のゴールはナンセンスなものだった」と3つの失点を振り返ったが、最も「ナンセンスなもの」は最初の失点と言えるだろう。引いて固められて、回されるというゲームの行方を、あまりに早い時間で決定付けることとなった。

 76分、ドゥジアクの左からの折り返しを、ギュンドアンが決めた。気休めにもならなかった。ドルトムントはボルシアMGに1-3で敗れる。完敗だった。互いのサッカーの洗練の度合い、完成度が違った。3位と10位、順位の差が、はっきりと現れていた。

【了】

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