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セリエA 10年前

“素敵な時代”の終わりが近づくユベントス。将来を担う若手は誰?【八塚浩×チェーザレ ミネストローネ・ディ・カルチョ―04】

長く国内外のサッカーを実況し続けてきた八塚浩。そしてイタリア人のチェーザレ・ポレンギ。セリエAに精通する2人が、毎回1つのクラブを取り上げていく。第4回はユベントス。

「格下のチームにもアッレグリは研究に手を抜かない」

【八塚浩×チェーザレ ミネストローネ・ディ・カルチョ―】
セリエAに精通する八塚浩氏とチェーザレ氏が毎回1つのクラブを取り上げていく『ミネストローネ・ディ・カルチョ』

チェーザレ・ポレンギ(以下、チェ) 今回は首位のユベントスの話をしましょう。リーグ戦ではエンポリに勝って2位との勝ち点差は14のまま。チャンピオンズリーグは準々決勝まで進んでいる。対戦相手のモナコは最近あまり調子がよくなくて、最近8試合で3勝しかできていない。先週末のモンペリエ戦も0-0で全然ダメだった。あとは、フィオレンティーナに大逆転勝ちをしてコッパ・イタリア決勝まで進んでいる。

八塚浩(以下、八) 絶好調だね。

チェ もしスクデットを獲って、コッパ・イタリアも獲って、CLでもベスト4くらいまで行ったら、CLで優勝した年を除いて一番いいシーズンになるんじゃないかな。八塚さんから見てユーベ対エンポリはどうでした?

 ユーベは力を発揮する、これはわかっている。一方でエンポリがどうやってユーベを苦しめるかな、ということだけを僕は楽しみにしていた。

チェ なるほど。

 エンポリは高い位置からチェックに行って、相手のミスを誘いながらショートカウンターを狙っていきたかったんだけど、アッレグリはそんなこと重々承知で、相手が近づくと鼻先でワンタッチを使いながらパスを回していく。つまり自分たちのやりたいハイプレスが効かなかったうえ、中盤に数的優位を作ってプレッシャーをかけるということも一切できなかった。結局点差以上にユーベの個々の力が勝ったのかなという気はしたよね。

チェ アッレグリは落ち着いていて、コンテよりも神経質だけど、選手を上手くローテーションしながらいいサッカーをしている。彼のサッカーを見るときに印象的なのは、相手の研究をきっちりしていること。ドルトムントを完全に潰したでしょ。セリエAだとローマはホームで何もさせてもらえなかった。コッパ・イタリアで対戦した好調のフィオレンティーナはトリノでの1stレグに勝っていて、0-1で負けてもよかった。それでも何もできなかった。アッレグリはいつも同じじゃなくて、ちゃんと相手を研究してやり方を変えているよね。選手をローテーションさせたり、3バックと4バックを使い分けたり。

 力関係が互角か、相手の方が上の時に研究するのは当たり前なんだけど、普通にやっても勝てるだろうという格下のチームにもアッレグリは手を抜くことなくきちんと研究しているんだよね。

チェ その結果、今季ユベントスが負けたのは4回しかない。2回はCLで、1回はちょっとアンラッキーだったセリエAのジェノア戦。あとはコッパ・イタリアのフィオレンティーナ戦だけど、4試合全部1点差だった。

 すごいね、たいしたもんだね。

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