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再び始まった3冠への挑戦。ペップ・バイエルンが目指す「理想と哲学」での勝利

text by 本田千尋 photo by Getty Images

理想と哲学を掲げながら、国内と欧州を制覇する

 そしてマルティネス、アラバ、ロッベン、リベリーといった「負傷者達」を抱えていることも、現在の状況を難しくしている。とりわけゲームに変化とアクセントをもたらすリベリーとロッベンを欠いていることは大きい。

 2人のドリブルが、全体の押し上げに繋がるのはもちろんのこと、それは苦しい時に状況を打開する強力な力になる。ドルトムント戦も、レバークーゼン戦も、ロッベンかリベリーのどちらかがいたら、試合展開は全く違うものになっていた可能性はある。

 レバークーゼン戦について、キッカー紙は「アリエン・ロッベンとフランク・リベリーを欠いて、バイエルンの攻撃は苦しんだ」と記した。

 リベリーは3月11日のCLドネツク戦から、ロッベンは3月22日のボルシアMG戦から負傷離脱して復帰まで数週間とされ、2人が戦列に戻ってくる時期は未だ定かではない。

 こういった中で、これから週末にはブンデスリーガを戦いながら、4月15日、21にはCLの準々決勝ポルト戦、28日にはポカールの準決勝ドルトムント戦を控えている。シュポルトビルト紙は、ペップの「4月は全てを決める。今月は毎試合が決勝戦だ」というコメントを紹介している。

 しかし、困難な状況だからといってペップは、理想を放棄するようなマネはしないだろう。それがペップ・グアルディオラだからだ。

 8日付のシュポルトビルト紙は、「グアルディオラはチャンピオンズリーグで勝利を収めようとしているだけでなく、それを彼の哲学とともに成し遂げようとしている」と記している。

 理想と哲学を掲げながら、国内と欧州を制覇する。とてつもない難事は、しかし、理想と哲学が無ければ、達成することは出来ないのかもしれない。

 ペップ・バイエルンにとって勝負の時、3冠への戦いが幕を開けた。

【了】

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