スポンサーからの要求。本当か?
日本人選手が欧州へ移籍するときには必ず騒ぎが起こる。しかし、今回はチェルシーだ。現代のフットボール界で最も成功を収めている金満クラブの一つと日本サッカー界の新しい象徴が契約すること以上に大きなことはない。
もちろん、「武藤がロンドンへ移ってもプレーできない」または「移籍が実現したとしてもクラブの市場戦略が主な理由だろう」、という皮肉的な見方はある。しかし、恐れていることが完全に解消されていない一方で、この移籍にただ抗議することは少し単純すぎやしないだろうか。
横浜ゴムがチェルシーに日本人選手と契約するよう働きかけたという考えは、スポンサーが持つ影響力を買いかぶりすぎているかもしれない。サムスンは長期間にわたってスタンフォード・ブリッジのクラブと契約をかわしてきたが、その間にブルーのユニフォームを身に着けた韓国人選手は何人いただろう。
選手自身にとっては、武藤がこの件について深く考えるための時間が必要なのは理解できる。ピッチ内のプレーよりも競技場外での重圧や注目がまさることが多い日本でのプロ生活に適応している段階であり、世界で最も高い階層に位置するクラブへ移籍することは完全に別次元のレベルに上がることを意味する。
しかしながら、日本の多くの人々が移籍の実現性に対してかなり否定的な反応を示していることは少し奇妙なことである。
ある意味、これは日本のフットボール文化の発展にポジティブな要素を生む。ファンは国内のベストプレーヤーたちが欧州のクラブへただ移籍するだけでは満足せず、規則的にプレーする姿を望んでいる。