無言でスタジアムを後にした浦和MF阿部勇樹【写真:ダン・オロウィッツ】
【浦和レッズ 1-1 北京国安 ACLグループG第4節】
浦和レッズはACL第4節で中国の北京国安と対戦し、1-1で引き分けた。
この試合、ベンチスタートとなったMF阿部勇樹は72分から途中出場。先発したMF柏木陽介が本来の主将である阿部に代わってキャプテンマークを巻いた。
浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「足首の状態が良くなかったので、試合を通して戦うのは無理だと判断した」と阿部がベンチスタートとなった理由を記者会見で明かしている。
試合後、ミックスゾーンで浦和の選手が記者からの質問に答える中、唯一人無言を貫いたのは他ならぬ阿部だった。記者からの問い掛けには一切答えず、ミックスゾーンではなく隣の一般通路を通ってスタジアムを後にした。
同時刻に開催された水原三星対ブリスベン・ロアーの一戦は3-1で水原が勝利したため、浦和は次節の水原戦で勝利を逃した瞬間、同大会からの敗退が決定する。仮に残り2試合を連勝したとしても、GS突破はその他の結果次第という他力本願な状況だ。
0-1で敗れた第2節のブリスベン戦後には、選手にブーイングを浴びせた埼玉スタジアムのサポーターに対して涙ながらに勝利を誓った阿部。しかし、この日埼玉スタジアムに駆け付けた1万3000人の浦和サポーターは、その人数以上に大きな声援を送って選手を鼓舞し続けていた。
奇跡のGS突破に向けて勝ち点3が不可欠だった浦和にとって、この引き分けは大きな痛手となってしまった。何も語らずに去っていった阿部だったが、その背中は誰よりもその悔しさを物語っていた。
【了】