CLユーベ戦で出場機会なし。戦術、体調面以外の理由も
少し意表を突かれたのは、2月24日、トリノで行われたユベントス戦だった。
2月に入って好調を維持して、7日のフライブルク戦から香川は先発に返り咲いた。単に先発に戻っただけではなく、周囲の選手との連携も良い。前線に連動性をもたらして、チームの攻撃を活性化させた。
ユベントス戦の直近の試合となったシュトゥットガルト戦の後では、イタリア王者について「最高の相手」、「やりがいを感じる」と話し、「しっかりと準備して楽しんで行きたいなと思います」と、香川も自身の状態について手応えを感じていた。しかしユベントス戦でトップ下に入ったのは、ムヒタリヤンだった。
もっとも、ユベントス戦でドルトムントは、ピルロを中心とする3ボランチに対して、サヒンを1ボランチに、ギュンドアンを前に出して2列目を4枚とも取れる変則的なスタイルで臨んではいる。それでも、ドルトムントのプレッシングスタイルを理解する香川であれば対応出来たはずである。
直後のシャルケ戦では、再びトップ下に入り、内田篤人も舌を巻いたパフォーマンスを見せていることを考えれば、コンディション面で問題があった訳でもなさそうだ。
つまり、戦術面と体調面以外の理由で、ユベントスとの第1戦で先発から外されたことになる。クロップが単にローテーションを採用しただけとも取れる。
香川は3月に入ると、再びパフォーマンスを落としてしまう。3月7日のハンブルガーSV戦では、前半45分のみで途中交代となった。もっとも、続くケルン戦でもそうだったように、とことんバイタルエリアのスペースを消してくる相手の戦略もあった。
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