一時の最下位、後がない状況でも先発できず
4月4日のブンデスリーガ第27節、バイエルン・ミュンヘン戦、ボルシア・ドルトムントの先発メンバーの中に、香川真司の名前はなかった。代わってトップ下で先発したのはロイスだった。もう少し広く眺めると、4-2-3-1の2列目には右からブワシュチコフスキ、ロイス、カンプルが並んだ。
今季のドルトムントの試合に限って見た場合だが、香川は重要なゲームで先発として使われない傾向がある。何を持って重要なゲームとするかは難しいところだが、ここではブンデスリーガ昨季王者のバイエルン戦、CL決勝トーナメント1回戦のユベントス戦、そして最下位に転落して迎えた12月5日のホッフェンハイム戦を、今季のドルトムントにとっての重要なゲームとする。
バイエルン戦は、昨年11月のアウェイでの一戦こそ先発したものの、先に触れたように4日のホームの試合では、ベンチからのスタートとなった。
ユベントス戦では、アウェイでの1stレグ、ホームでの2ndレグ、双方の試合でベンチスタートとなり、ウォーミングアップを続けてピッチ外から試合を眺めたまま、試合終了の笛のホイッスルを聴いている。
そして最下位ともはや後がない状況で、クロップも「真昼の決闘」と古いハリウッド映画のタイトルまで持ち出して挑んだホッフェンハイム戦では、トップ下に入ったのは、ボランチが本職のギュンドアンだった。
マンチェスター・ユナイテッドから復帰後、パフォーマンスは一向に上がらず、チームもどん底の状態だった前半戦に行われたホッフェンハイム戦で、香川が先発として使われなかった理由は腑に落ちる。不調の選手に、土俵際に足の踵が掛かっているチームのトップ下を任せることは出来ない。