香川に流れを引き寄せる余地はなく…
その結果、カウンターを仕掛けた回数ではドルトムントがわずか1回だったのに対してバイエルンは10回。さらにシュート本数ではドルトムントの12本に対してバイエルンは半分の6本でありながら、枠内は同じ2本。その1本が決勝点となっている。
試合後、ペップ・グアルディオラ監督や選手たちから自らのプレー内容に不満を示すコメントが発せられていたが、バイエルンの支配力を潰すためにドルトムントが実践したプランは、“ロマンチスト”ではなく“リアリスト”に徹した王者には十分に通用しなかった。
このような一見優勢に見えながら、常にカウンターの脅威にさらされていた状況で67分に投入された香川真司に流れを引き寄せる余地はなかった。それは香川のパフォーマンス云々ではなく、当然のことといえるだろう。
この大一番で、バイエルンそしてグアルディオラ監督は戦術の幅の広さ、懐の深さを改めて示す結果となった。
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