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データが示すバイエルンの勝因。ノイアーから送られた脅威の縦パス。カウンターにさらされたドルトムント

text by 海老沢純一

試合の勝敗を分けたバイエルンの戦術変更

データが示すバイエルンの勝因。ノイアーから送られた脅威の縦パス。カウンターにさらされたドルトムント
上から主なスタッツ(図2-1)とクロス位置(図2-2)(データ:『wyscout』より)

 しかし、試合結果を見ても分かるように、その歯車は徐々に狂っていった。

 まず、攻撃面のデータを見ると、ファイナルサードへ侵入した回数(図2-1)はドルトムントが145回でバイエルンが約半数の76回。図2-2のクロスを入れたエリアをみてもドルトムントがファイナルサードで20本を記録しているのに対して、バイエルンはわずか5本。

 スルーパスでも1対1のドリブルでも攻撃の競り合いでもドルトムントがバイエルンよりファイナルサードで高い数値を記録している。

 一見すると、攻撃面でもドルトムントがバイエルンを上回っているように感じる。しかし、前述したようにバイエルンが行った戦術変更が試合の勝敗を分けた。

 それを証明するために6つのデータを参照してみよう。

 まず図2-1のパスの内訳を見ると、スルーパスではドルトムントが15本でバイエルンが9本とドルトムントに軍配が上がった。しかし、ロングパスではドルトムントの83本に対してバイエルンは94本。その差11本でアウェイチームが上回っていた。

 この試合までのリーグ戦26試合でバイエルンが出したロングパスの平均は62.07本だけに、この94本という数がバイエルンにとっていかに多いかが分かる。

 実際、36分にレバンドフスキが決めた得点シーンを見てもCBのボアテングから最前線のミュラーへ一気に縦パスが送られたことからスタートしている。

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